【ファン】がいない人間はビジネスでも勝てない。
自分の【ファン】を作り、ビジネスの場やマネタイズに活かす極意
2019年にソロデビュー20周年を迎えた GACKTさん。
音楽から始まったそのキャリアは、今となっては俳優、実業家、福祉活動など、
数多のジャンルに広がり、留まることを知りません。
その一方で、「実際、どこでどうやって稼いでるの?」「一体、どうやってGACKTというブランディングを維持しているの?」と誰もが疑問に思うほど、GACKTさんの実生活は謎に包まれ、今もミステリアスな魅力を放ち続けています。その秘密の中でも、 GACKTさん自身にとって大きな核となる哲学が著されているのが、
発売2ヶ月弱で10万部を超えた伝説の本、『GACKTの勝ち方』。
「【GACKT】であることを保つのに、年間2億かかる」と語るGACKTさんの、
マネタイズと成【幸】哲学の秘密に迫ります。
人生の夢から逃げないための、実現の極意
「成功したい…」「夢を叶えたい…」
そんなことを言いながらも、オマエはオマエ自身の人生に躊躇して、物怖じして、
足踏みしていないか?
人生において、勝負から逃げる免罪符はいくらでもある。
けれどそうこうしている間に、人生の貴重な時間はどんどん過ぎ去っていく。
たとえば、10年後。挑戦し続けた者と、
免罪符の使い方だけを極めたオマエを比べれば、
どうなっているかなんて、一目瞭然だ。
ボクは、自分の人生を懸けて、やりたいことをやる。自分にしか作れない作品を、
長い年月に渡って、求めてくれているマーケットに届ける。
たとえ、利益を度外視したとしても。
ロックとは、ただの音楽の1ジャンルを示す言葉ではなく、
僕にとっては、生き様そのものだから。
けれど、その「やりたいこと」の実現のために、ハッキリ言う、カネは必要だ。
そんな中で、ボクの武器は、人生すべてをマネタイズすること。
ボクの仕事や立場に限らない。日々同じ仕事のルーティンで、
ため息ついているような環境だとしても、どんな立場の人だって同じ人間である以上、
【人生をマネタイズ】できる局面は必ずある。
この本では、僕の経験談を元に、そういった状況の中でできることを、
具体的に話していこう。
理想のGACKTでいるためのファン作り
ボクは、「音楽をやっていこう」と決めた最初から、
思い描く理想の「GACKT」であろうと決めた。
しかし、その生活を実現するためのカネが湧いて出るワケでもない。
けれど、ステージでは壮大なことを歌っている人間が、裏では、6畳一間の
アパートで一人洗濯機を回すような生活をしていては、説得力がない。
そもそも、ミュージシャンというのは、たくさんのファンに支えてもらわないと
成立しない生き方だ。
音楽を続けて、いつかファンが勝手につくことを待っているなんていうのは、いつか当たることを信じて、ただ宝クジを握りしめて過ごすのと同じくらい愚かなことだ。
大切なことを後回しにするのは、何より、実行する・動くということから逃げていることを意味する。
『カネはなんとか工面し、必要な知識はやりながら覚えればいい』
それがボクのやり方だ。
音楽で食べていくことを決めたのなら、ファン無しでミュージシャンは存在できない。
ファンは、自分の夢を叶える世界の、大切な妖精みたいな存在だ。
ミュージシャンとして生きるのであれば、ファンを作ることは、音楽を作るのと同じくらい大切なことだ。
そこで、まず最初に行き着いた一つの答えが、『サポーターを作ろう』ということだった。
これは、ただのヒモでも、太客数人からカネを回して貰おうということでもない。
【GACKTの音楽を追求し、GACKTがGACKTで在ることで、喜んでくれる】
ファンを創るということ。
そのために、ボクが今でも心懸けていることは、2つある。
ファンにとってのメンターであれ
1つは、ファンにとって、背中を見せる存在であること。ボクを信じてくれている
ファンの、メンター(心の指導者・助言者)であり続けること。
世の中のほとんどの人が「そんなの無理だ」と思うことをボクがやって見せることで、
『やればできる。ほら、ボクはできてるだろ?』というメッセージを発することができる。
【何かを諦めるファン、諦めそうなファンの代わりにやってみせる】ことで、
「私もやればできるかも」「諦めないで続けよう」と感じてもらう目的もある。
それもまた、ボクの使命だ。
「私が信じた人がやるって言って、実際にやってくれたんだ」
その勇気を与えるため、成し遂げるために、【死ぬほど努力】する。
そして、 「GACKT」はファンのメンターであると同時に、ボク自身にとっても、
自分の二歩先を歩くメンターでもある。
【GACKTは、常に自分がやると言ったことをやる】
ファンひとりひとりの代わりに、その想いを預かり、代弁し、『できるだろ?』と魅せる。
それが、「GACKTである」ということ。
ファンの心を掴み、徹底的に大切にしろ
もう1つは、徹底的に、誰よりもファンを大切にすることだ。そして、ファンを大切に想うことさえもが、結果、マネタイズに繋がっていく。
最初にサポーターを作ると決めたとき、ボクは毎日、女性に声を掛けた。対象は、
声を掛けてもサクッと断る美しい女性、【ハッキリとした意思を持っている人】のみ。
それは、簡単に着いてくる人よりも、ハッキリと自分の強い意志を示せる人の方が、
【本物のサポーター】になり応援してくれる、と思ったからだ。「この女は固すぎて無理だろ」「絶対落とせないだろ!」そんな女性ばかりを対象にした。
たとえ無視されたり無下に酷く扱われたりしても、ストリートで歌った場合に簡単に人は立ち止まってはくれないことを思えば、似たようなものだと思っていた。
そして、そんな小さなことで歌を止めるだなんてことがあれば、それすなわち、
音楽で成功する夢を諦めることとイコールだ。
彼女たちに声を掛ける行為は、知らずとして、【人の気持ちを瞬間的にどうやって掴めばいいか】という訓練にもなっていた。
どのように人の気持ちを動かし、どのように自分のことを理解してもらい、
気に入ってもらうか。
結果、最終的にサポーターになってくれた、まだ売れていないのにもかかわらず、
原石GACKTを見出し支えてくれた女性たちと巡り逢うことができた。
彼女たちには心から感謝しているし、今も変わらず時間を作って会っている。
そして、彼女たちと会うときは、今のボクにできる最高のエスコートをする。
彼女たちのおかげで、今の「GACKT」になれた。そしてそれからのボク自身は、
いつだって、ファンを裏切らないように、常にGACKTとして向上し、最高のライヴと作品を創り続けることを心懸けている。
それを、数万人のコアなファンたちが、欠かさず見てくれているというわけだ。
ビジネスの世界でも【ファンを作る精神】を活かせ
ファンが必要なのは、ビジネスだって同じだ。
「人間としてのこの人を応援したい」と思ってもらえるような存在になること。
親、友人、恋人でもかまわない。
どんな人間でも、自分のことを好きでいてくれる人間が一人はいる。
万が一、失敗したとしても、
「この失敗を彼は必ず次にいかしてくれる」
「これはまだまだ途中経過だ」と信じてくれるのが、ファンという存在だ。
ファンの存在によって、職場や交渉の場における、人間関係や仕事の結果は、ガラリと変わる。
ボクの人生も、そんなファンのおかげで変わった。
ファンを作るということは、期待に応え続けるということ。
結果を出すこと、そこに執着することも、勿論大切だ。
ボクは、ファンと自分自身は、決して裏切らない。
しかし、予想はいい意味で裏切る。
そして、期待には大いに応える。
メイド・イン・ジャパンである
【ビジュアルロック】へのこだわり
ビジネスをやっていく上で欠かせない視点として、マーケットを見据えた視点がある。
その視点から【音楽をやっていく】ということについて考えると、音楽の市場としては、むしろアジアをこそ中心にやっていくべきであると、ボクは考える。
アジア圏の方が、商圏になるからだ。
そして、マーケットを定めて、どういったジャンルで勝負しようかと考えたときに、
やっぱりそこには、日本人オリジナルの、【メイド・イン・ジャパン】で
勝負したいという気概がある。
日本以外のマーケットに対しては、日本にしかないものを打ち出さないと勝てない。
その上で、ボクがこだわることに決めたのは、【ビジュアルロック】という選択だった。
海外の音楽のコピーじゃ、海外では勝てない。
今世の中に溢れている、ほとんどの音楽とファッションには、オリジナリティがあり、それぞれに発祥の国がある。
では、日本発の、ファッションと音楽が融合しているものは何か?
それは、ビジュアルロックを差し置いて他にない。
ビジュアルロックと一言で言っても、そのジャンル内で表現されるものは、音楽性、思考やファッションを含めて、かなり幅が広い。そして、ビジュアルロックの曲には、元々は、ダークで破壊的、センシティブでネガディブなことを歌うものが多かった。
そんな中にあって、ボクは、このジャンルにおいて、自作の物語をステージで
表現して魅せることを、自身の活動の中心に据えた。
世界観を確定する物語ありきで、それを曲に落とし込む。
同時に、物語の登場人物、人形だったり天使だったり神だったりを表現するのに、
ファッションを使う。
そして、ステージでは、そのファッションと音楽を使い、物語として演出していく。
そういった総合的なアプローチから、こうした音楽は【アート系】とも
言われるようになる。
ボクらのバンド世代は、その黎明期だった。
【音楽】という一つの表現方法において、ボクはそこに【ビジネスとして勝つため】のビジョンを持っていた。
その中でこだわっていたのは、日本発のオリジナリティを世界に売り出すこと。
そして、ステージは絶対に妥協しないということ。
これを一般の仕事に当て嵌めて言うなら、他に類を見ないアプローチやアイデアで
勝負すること。
その勝負どきには、諦めず最後まですべてをやり抜くこと。
そうすることが、身の回りの応援してくれる人たちに対して、期待以上の結果を
以って魅せることに繋がる。
ニガテな活動をポジティブに変換する極意
もうひとつ、音楽をやる上で感じていた課題について話そう。
ボクは昔、音楽雑誌へのインタビューが嫌いだった。
けれど、どうせやらなきゃいけないものであれば、意味があるものに変えればいい。
自分にとって苦痛なことも、プラスにするための思考。
バンド時代、メンバーは基本的に音楽を中心に話をしたが、彼らは量を喋らなかった。
インタビューを受けている間に喋るのはほとんどボクが中心で、メンバーが間に少し挟んでくるという感じだ。それ故に、自由に舵を取りやすかった。
インタビューに対する苦手意識を無くすため、紋切り型の受け答えではなく、もっとプライベートな自分の考え方、発想、自分の持っている根本的な思考を話すことに
決めた。
インタビューにおいて、
『もっと人間的な部分が見えるものにしよう』という提案をした。
インタビューを読んだファンが、ボクの人間性を感じられる流れを作る。
ソロになってからは、その色をより濃くした。
ビジュアル系のファンの多くは、いろんなことを悩んでいたり、道を見失いがちだったりする。そんな人たちにとって、ひとつの道しるべになるように心掛けた。
ここでも、ある種のメンター(心の指導者・助言者)であるべきと認識した。
もちろん、音楽はそれ自体が救いにはなる。
だが、もっと具体的に、「こういうときにはどういう風にしますか?」というような質問に対して、それぞれの状況における考え方や答えを、明確に話すようにした。
こういう風にするべき。考え方はこう持つべき。
はっきりと言い切る。そんな一つ一つの言葉を積み重ねていくうちに、
「GACKTのインタビューを読んでいると勇気が出る」
「元気が出る」
「諦めようとしていたけど、もう一度頑張ってみる」
そういう言葉が、ファンひとりひとりから返ってくるようになった。
苦手だったインタビューは、ボクのメッセージを発信する大切な場となった。
訓練をすれば、ネガティブだったものも、プラスに変換できる。
オマエにとってネガティブなものは、オマエの思考ひとつで、
すべてがポジティブなものに変えられる。